「遊戯王クロスデュエル」インプレッション。カードゲームと独自の駆け引きを組み合わせた4人対戦ゲーム

「遊戯王クロスデュエル」インプレッション。カードゲームと独自の駆け引きを組み合わせた4人対戦ゲーム

新作ゲームアプリ『遊戯王クロスデュエル』は、世界中のデュエリストとリアルタイムで対戦する新世代4人対戦カードゲーム。

全てのモンスターが3Dグラフィックスで再現されており、迫力の召喚シーンと共にデュエルが楽しめる。

 

 

まずはゲームシステムを紹介する。本作のジャンルを“カードゲーム”と書いたが,各プレイヤーが交互にカードを出して戦う一般的なカードゲームとはかなり異なる。イメージとしては“タワーディフェンス系の対戦ゲームに,カードゲームの要素を足したもの”という説明が正しいだろうか。

各プレイヤーは,事前に構築した20枚のデッキから5枚のカードを引いて手札とし,ライフポイント(以下,LP)4000点を持ってゲームを始める。フィールドには,各プレイヤーの陣地が用意されており,陣地にはモンスターを召喚できるモンスターゾーンと,罠をセットできる罠ゾーンが3つずつ存在。各プレイヤーは,手札のカードを使ってモンスターをユニットとして召喚して敵プレイヤーの陣地に攻め込み,相手のライフポイントを奪うことを目指すのだ。

 

 

左右中央3つのモンスターゾーンからは,ほかのプレイヤーの陣地につながるレーンがそれぞれ伸びており,召喚したモンスターはこのレーンを自動で進んでいく。相手の陣地にモンスターが到達し,見事に攻撃が決まれば相手はモンスターの攻撃力分のLPを失い,自分は与えたダメージ分のLPを回復できる。


1ターンは,手札からモンスターを召喚したり,罠カードをセットしたりできる「メインフェイズ」,魔法カードの使用やモンスターの進軍,バトルを行う「バトルフェイズ」に分かれている。誰かのLPがゼロになった後にそのターンが終わるか,8ターンが経過するとゲーム終了。その時点のLPで各プレイヤーの順位が決定する。

 

 

 手札からモンスターの召喚や罠カードのセットを行うフェイズ。メインフェイズ開始時に各プレイヤーはデッキの上からカードを1枚ドローし,手札の補充を行う。ちなみにゲーム終了が近づく7ターン目と8ターン目は,ドロー枚数が2枚になる。
 

モンスターは左右中央の3つのモンスターゾーンに攻撃表示か守備表示で召喚できる。攻撃表示で召喚したモンスターは,バトルフェイズでレーンを進軍していくが,守備表示で出したモンスターは,自分の陣地にとどまる。モンスターは1ターンに何体でも召喚可能だ。

モンスターの中には,召喚条件が指定されているものもあり,遊戯王OCGのようにレベル5~6のモンスターは,フィールドのモンスター1体,レベル7以上のモンスターは,フィールドのモンスター2体を召喚コストとして要求される。

また,融合,シンクロ,エクシーズなど,OCGでは特殊な方法を用いて召喚していたモンスターは,基本的にはすべて効果のない通常モンスター扱いになっている。ただ,モンスターカードを成長させていく過程で後述する固有スキルを付与すると,カード枠が変化し,特殊な召喚方法を用いるモンスターとして運用できるようになっている。

メインフェイズにセットできる罠カードは,戦闘時に味方のステータスを高めてくれるものや.自分の陣地に侵入してきた敵を撃退するものなど,さまざまだ。セットしておけば,後のバトルフェイズで何かと役に立ってくれる。ただ,すべての罠カードが“条件を満たすと自動的に発動する”という点は押さえておきたい。とりあえず罠カードをセットしたら,思わぬ拍子に発動してしまい,有効に使えなかった……なんてこともあるので,セットするタイミングは慎重に見極めよう。

 

デュエルの駆け引きをより面白くする独自要素の数々


既存の遊戯王タイトルとはルールの違うクロスデュエルだが,システムにも特徴的な独自の要素があり,それが対戦に駆け引きを生み出している。

まず,1つ目が「モンスターのスキル」である。本作に登場するモンスターは,ゲーム内で獲得した素材を使うことでさまざまなスキルを取得できる。スキルには,モンスターの攻撃力や守備力を上げるといった基本的なものや,破壊耐性をつけるものなどがあり,レアリティの高いモンスターは「固有スキル」というモンスター独自のスキルも取得できる。
スキルは各モンスターごとにプレイヤーが自由に付け替えてカスタマイズできるので,どのスキルをどのモンスターに装備するかという要素が,対戦に駆け引きを生み出すのである。

 

 

 2つ目の要素は,デュエルの最初から必ず手札に加わる特別なカード「エースモンスター」の存在だ。カードゲームでは,デッキの主軸としたカードが引けず負けてしまうということがあるが,クロスデュエルでは,デッキの要となるモンスターをエースに指定しておけるので,こういった事故はあまり起きにくくなっている。

さらにレアリティUR以上のモンスターはエースにすると「覚醒スキル」という特別なスキルを付与できる。覚醒スキルは,召喚時にフィールド上のモンスター1体を選んで破壊できる「青眼の白龍」,フィールド上に存在する限り,レベル3以下のモンスターにスキル【転生】(戦闘で破壊されると,持っているスキルをすべて無効にし,自身を手札に戻す)を与える「スターダスト・ドラゴン」など,どれも強力なものばかり。まさにデッキの柱にするに相応しいパワーを持っているので,どのモンスターをエースにしてデッキを組み立てるかが駆け引きの重要な要素となっている。

 

 

また,エースを使うタイミングも重要なポイントだ。エースカードは,デッキの要ゆえに相手プレイヤーから非常に狙われやすい。デュエルの序盤で早々にエースを召喚したら,次のターンにほかのプレイヤーが召喚したエースの効果で,破壊されてしまうこともある。かといって,召喚を渋りすぎていると,その隙にほかのプレイヤーにゲームメイクされてしまい,巻き返しが難しい状況になっていた……なんてこともある。エースカードをいつ切って勝負を仕掛けるのかというのは,クロスデュエルにおける重要な駆け引きの1つとなっているのだ。

 

 

さて,実際に本作をプレイした感想としては,遊戯王のカードゲーム要素がタワーディフェンスゲームにかなりきれいに落とし込まれているといった印象だ。
リアルタイムではなくターン制の採用,モンスター同士の攻守の高さで決まるシンプルさ,アドバンス召喚やシンクロ召喚の概念を召喚コストとして,タワーディフェンスアクションっぽく落とし込んでいる点など,遊戯王経験者であれば,違和感なく入っていけるはずだ。

 

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